そもそもSDGsとは何なのでしょうか。 小学校の授業や、会社のCSR活動などでよく耳にするようになり、今では認知度もかなり上がっていることと思いますが、SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2030年までに、発展途上国と先進国が一丸となって達成すべき国際目標です。 17のゴール、169のターゲットから構成されており、「誰一人取り残さない」世界を目指しています。 ここでは、メルヘン日進堂がSDGs達成に向けて取り組んでいる施策や、SDGsに対する考えをお伝えします。
1. 貧困をなくそう
あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ
時を超えてみんなを救う、メルヘンのお菓子
東京オリンピックでも取り沙汰されたフードロス問題。日本においては貧困問題よりも多く聞かれる言葉ではないでしょうか。フードロスを減らすために災害時も想定した長期賞味期限のお菓子開発に取り組みます。私たちが考えたお菓子を、飢餓に苦しむ人々へ国境を超えて届けられるよう、課題を見つけて解決していきます。
2.飢餓をゼロに
飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する
地元食材を使った栄養たっぷりのお菓子づくりを研究
医食同源の栄養バランスを意識した食材選び・お菓子開発に取り組み、同時に地元珠洲の食材を積極的に取り入れ、地産地消を引き続き実現していきます。
予防医学的で持続摂取可能な必要エネルギー量とお菓子の大きさの関係の研究も始めます。
3.すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する
食べて美味しいだけでなく、その先も考える。
口の中で感じる美味しさだけではなく、消化吸収され、健康的に体から出ていくところまでを考え、体から排出されにくい食品添加物や膨張剤は使用せず、素材を厳選しています。素材選びこそが、健康のカギだと考えています。さらに、車椅子で入店可能なスロープの設置や、オストメイト対応トイレの導入など、店舗のバリアフリー化も進めていきます。
4.質の高い教育をみんなに
すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
メルヘンのお菓子で食育!
1つ1つのお菓子、それぞれに歴史や文化、伝統があります。わたしたちはその歴史からお菓子づくりのノウハウだけでなく先人たちのお菓子にかける情熱や思いを学びとり、これからの時代に必要とされるお菓子作りを研究します。そして地域の食材を活かすなど、お菓子を通して持続可能な食育につなげていきます。全国お菓子憲章にもある通り、お菓子づくりを通して、楽しさや夢を広げ、豊かな食文化を創造します。
5.ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る
お菓子で、女性に活力を
共働きが多い現代においても、まだまだ女性が家事全般を行わざるを得ないという家庭も少なくはありません。その文脈でジェンダー平等を謳う時、女性の社会進出を図ることに執着するのではなく、「子どもを産み・育て・家庭を守る」という重要な役割を世界中の一人ひとりが尊重する環境を作り出すために、社会の構造を見直す必要があると考えています。
それは並大抵のことではありませんが、小さな町の1つのお菓子屋として、女性の働きやすい環境作りをすることはもちろん、家庭で頑張る女性がお菓子を食べて安らぎの時間を作り、新たな活力としていただけるよう、メルヘンならではの「楽しくて美味しいお菓子」の開発に力を入れています。
6.安全な水とトイレを世界中に
すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する
井戸水の活用で節水します
敷地内にある井戸水を雑水や花の水やりに使用しています。今後、トイレにも井戸水を使用し、断水時にも利用できるように準備を進めます。専門家に協力いただき、人力も電気も使用しない井戸水の汲み上げを利用したトイレが作れないかを検討し、非常時に近隣の方にも使っていただけるような、また様々な場所で応用可能なトイレの1つのモデルにしたいと考えています。
独自の技術!バウムクーヘンを焼く際の熱を再利用
バウムクーヘンを焼いている場所には、サウナ室で利用されているものと同じ火災報知器がついています。つまり、室温がそれほどまでに高温になるということです。その熱を何かに使えないかと、珠洲の電気屋、鉄工所と協力して温風化。乾燥工程が必要なお菓子づくりのための機械を動かすなど、独自にエネルギーの再利用法を開発しました。これによりオーブンの利用率が上がりお菓子の製造量が増加するという、環境に良いだけでなく、1企業としての経営にも良い結果につながりました。
8.働きがいも経済成長も
すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する
適材適所の働き方改革と、商品開発による売上アップ
障害者の法定雇用率2.3%のところ、メルヘン日進堂では20%達成しています。適材適所の働き方改革、そして障害者雇用及び就職後の就労支援をおこない、働くみなさんが自分の生きがいを見つけられるよう支援しています。
そんな働き方改革をおこなう中で開発した、地元特産である能登野菜を使ったバウムチップス。長期賞味期限を確保したことにより持続可能な消費と生産につながり、食品流通のニーズに適合したことから大きく売上が上昇しました。
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る
美味しいまま長期保存できる、非常食や宇宙食を想定した食品開発に挑戦
SDGs未来都市である珠洲市のお菓子屋さんであるメルヘン日進堂ならではの商品を考えました。それは、17色のバウムクーヘン。バウムクーヘンのようにも見えるSDGsのロゴを眺めていて、アイデアが生まれました。着色料は自然由来のものを使いますが、バウムクーヘンは400℃以上の高温を加えるため、熱による退色の進行が課題です。
達成したSDGsの目標と同じ色のバウムクーヘンを食べるなど、みんなで楽しめるゲームのようにも活用できるでしょう。SDGsを達成するために一人ひとりが何をすべきか、聞いたり調べたり、考えるきっかけづくりとなることを願います。
例えば10年の賞味期限を確保するには、そのテストにも10年かかるため無謀とも言える挑戦になりますが、SDGsのロゴをかたどったお菓子を通して、周知活動につなげたいと思います。また、この商品開発は様々な食品へ応用できる可能性もあり、災害用の非常食や宇宙食としての活用の他、貧困や飢餓に苦しむ人々への助けになればと願っています。実現に向けて、地道に取り組んでまいります。
10.人や国の不平等をなくそう
国内および国家間の格差を是正する
どんな方でも働きやすい職場づくり
人は誰でも長所と短所を持ち合わせています。そして長所と短所は捉え方によって逆の意味にも捉えられます。
人が持つ計り知れない可能性を信じ、身体や心にハンディキャップがあっても、その方の得意なことを活かし適材適所で働いていただくなど、誰でも働きやすい職場づくりに努めています。
11.住み続けられるまちづくりを
都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする
地域全体の課題解決を目指す
珠洲市で108年もの長い間お菓子屋として営業を続けて来られたことに対し、長年支えていただいた地域の方への感謝を忘れず、これからも皆から愛されるお菓子屋を目指します。自社の発展だけではなく、地域全体の課題解決に向けて積極的に取り組みます。
例えば、高齢者などの外出困難者の方向けにドローンを活用した宅配サービスなど、地元業者と連携した珠洲市ならではの事業に取り組みます。
12.つくる責任 つかう責任
持続可能な消費と生産のパターンを確保する
健康にも配慮した商品で食品ロスを減らす
大量に作り安価で販売するのではなく、健康に配慮した安全な食材で長く保存できる商品をつくり、食品ロスを減らすことも、作る側の仕事の1つだと考えています。例えば生菓子のままだと日持ちがしないものを、焼いたりすることで、日持ちする商品になります。健康にも環境にも優しい素材を厳選した商品をつくります。
13.気候変動に具体的な対策を
気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る
脱プラで環境にやさしく
保冷剤リサイクル回収運動、マイバックの推奨、環境に優しいパッケージへの変更など、脱プラスチックを進めています。
14.海の豊かさを守ろう
海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する
積極的に海岸清掃に参加
周りが海で囲まれている珠洲市。海岸には、いろんな国や地域で海に廃棄されたゴミが毎日のように漂着し、見るに耐えない状態になっていることもあります。メルヘン日進堂では、わたしたちの大切な海を守るため、社員それぞれが住む地域の海岸清掃に積極的に参加しています。
15.陸の豊かさも守ろう
陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る
バウムクーヘンで森林保護活動の周知へ
未だ手付かずの自然や、世界農業遺産にも認定されている丁寧に管理された里山を持つ珠洲市に誇りを持っています。そんな能登で育つ木々を、「バウムクーヘン」という年輪のようなお菓子で表現し、森を守る活動の周知に努めています。
16.平和と公正をすべての人に
持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する
お菓子で団らん、平和への道筋
人は誰でも、幸せになる権利があると思っています。その幸せの形は、生まれた国や環境によって様々ですが、「幸せ」には、身近な家族の在り方が大きく影響するのではないかと思います。職場も、毎日顔を合わせる、家族の次に大きな要素かもしれません。
自分ひとりのことだけを考えるのではなく、身近な家族、友達、同僚など、相手の幸せとはなんだろうと考えて手を差し伸べてみることが、心と身体の健康につながるのではないだろうかと思います。
お菓子は、生きる上で絶対に必要なものというわけではありません。しかし、誰かと一緒に過ごすひとときのお供となり、「美味しい」という気持ちを共有できる、心を豊かにする食べ物だと考えています。メルヘン日進堂は、「お菓子」は平和に過ごすきっかけとなる大切な食べ物だと信じています。
17.パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
目標達成のために協力して行動する
新たに持続可能な生産体制をつくるために、地元農家と協力してお菓子を開発したり、電気屋、木工所、鉄工所と共に新しい道具を作りたいと考えています。そして、世界へメルヘン日進堂のお菓子を届けたいと思っています。
現在、身体に優しい自然由来の素材で高熱に耐えうる食材を探しています。同時に、長期保存ができるお菓子の開発に向け、新たなパートナーを募集しています。
カラフルな4段重ねのケーキ。
あなたならどこから食べますか?上から?それとも好きな色から?
1人で食べるのであれば、どこから食べようと自由です。でも、大勢で一斉に好きな場所から食べ始めると、たちまちケーキはぐちゃぐちゃになってしまいます。
ケーキは、人を悲しませたりするのではなく、楽しませるためにあってほしいと思います。みんなで分け合って食べて笑顔になることで、初めてケーキの存在価値が生まれるのです。
「SDGsウェディングケーキモデル」というものがあります。2016年にスウェーデンの団体によって提唱された、SDGsの構造をわかりやすく示した概念です。
実はこのケーキは、このウェディングケーキモデルをお菓子にしてみよう、と作ったものです。大自然の中に、様々な人が暮らす地球全体の様子を表しています。地球上に生を受けた私たちが、自然と共存しながら、争いなく楽しく生きる様子をイメージしています。
SDGsウェディングケーキモデルは、3つの階層から出来ており、人々が協力し合うパートナーシップで繋がっています。
ケーキの1段目は、すべての土台。海や陸や水などの「自然環境」に関するSDGsの目標を表しています。
2段目の「社会」は、飢餓、福祉、教育、エネルギーなど私たちが生活する上で必要な社会環境に関する課題解決の目標を表します。
3段目は、自然環境や社会基盤が確立出来ていなければ目指すことが出来ない「経済」の発展に関する目標を表しています。
人間の営みの理想のかたちを表していますが、ひとたび大きな災害が起これば土台は崩れ落ち、地球という名のケーキは形をとどめることができなくなってしまいます。
だから今こそわたしたちは、自然環境を守り、健全な社会を形成し、豊かな経済を作り出していくために、国境・文化・人種・性別などの壁を取り払い、課題解決に向けて協力し合い一人ひとり身近なアクションを起こしていく必要があるのではないでしょうか。
メルヘン日進堂では、SDGsを達成するために積極的に行動をおこしてまいります。 世界共通のゴールに向けて、ぜひメルヘン日進堂と一緒に、みんなで美味しく食べられる理想のケーキについて考え、作っていきましょう!